伯父と数学

『ペトロス伯父と「ゴールドバッハの予想」』、早川書房を数年ぶりに再読した。

読みながら、博士の愛した数式はここからモチーフをとったのかな、などと思った。

ストーリーは(小説中にもでてくる)ポアンカレ予想に挑み、人生をささげたパパキリアコプロスをモデルにして、主人公の伯父であるペトロスがゴールドバッハ予想に人生をささげたというもの。

終盤までは面白いのだが、最終盤での主人公のふるまいが不愉快だった。

わがままで独善なのは、ペトロス伯父にやられたことへの報復ともとれるし(作品に通底する)数学者はこういう人種ということで納得できるが、

終盤のふるまい(伯父にゴールドバッハ予想をあきらめさせようと怒鳴るなど)には怒りをおぼえた。