「コカチン」、佐和みずえ、静山社を読んだ。
といっても、コカチンがイルハン国に向かう道中をファンタジーとしたもので、史実はコカチンがイルハンに嫁いだことと、そのときにマルコ・ポーロが付き従ったことくらい。
他は、真臘で王の夢を獏に食わせたり、南インドでハーピーのような人面鳥身の化け物に誘拐された子供と化け物(実は息子を戦争で亡くした女が化けた姿)自身を救ったり、チンギスの愛妃クランの魂をブルカン嶽に送ったりなどファンタジーエピソードである。
一応、大分歴史博物館元館長が歴史考証をしているようだ。
児童用でもあるし、西遊記を思えば、特に史実にこだわる必要はないが、フビライの正室チャブイの扱いはもっと考えてほしかったように感じる。