ものすごく速く、ラクに読めた。
340ページだが、3時間もかかっていない。
最近、赤川次郎を読み返して実感する。
この読みやすさはなんだろう、と。
セリフが多いため、単純なページ数(あるいは行数)と文字数があっていないというのはすぐわかる。例えば、
こういうふうにたくさんの文字が隙間なく書いてあっても当然1行だし、
「おはよう!」
も1行だ。
しかし、それだけではない読みやすさがある。
ストーリーがむやみと複雑じゃないのと、
良し悪しはともかく軽いのだ。登場人物の死もあまりひっかからない。
作中の人物がいかに重く受け止めていようが、読者にその重みは乗っかってこない。
赤川次郎は特にそういう軽みのある作家だが(この軽みがヒット作を大量生産できた要因でもあり、一部の人たちから馬鹿にされたり嫌われたりする要因だと思う)、往年の角川には多かったような気もする。
驚くことに、赤川次郎は現役だが、そういう意味ではなく
現在の作家でこういう軽みのある人は誰だろうか。