修行映画

「アメリカン・レポーター」という映画を観た。

近年みた中で3本に入るほどひどい。

貞子3Dやキョンシー外伝のような、誰かに話したくなるひどさではない。記憶を消して、時間を返してほしいひどさだ。

そもそもコメディの区分になっていたが、何一つコメディ要素がない。

実話に基づくとあるが、何をみせたいのかが全く分からない。

アフガニスタンの状況を伝えたいのか、現地特派員の、特に女性特派員の様子を伝えたいのか。

望まずに派遣され、過酷な戦地で苦労し、文字通り生死をかけているとしても、現地になじもうともしない白人特派員たちに同情はできない。

まして主人公の女性は、戦場でも、そうでなくても周囲の制止もきかずに飛び出すタイプ。

実際に本人も周囲も危ない目にあっている。

過度にリベラルな女が極端に保守な異文化に投げ込まれ、どうなるかを描いたものとみれなくもないが、主人公たち、つまり白人特派員たちは何も変わらない。

女性ジャーナリストの熾烈な出世競争を描いた面もあるが、そもそも主人公は戦場ジャーナリストですらないから、まぬけな素人がベテランに出し抜かれる話にしかならない。

海兵隊や現地の大臣に直に友人奪還を依頼するとかも、必死さに胸打たれるよりも(それまでの経緯から)白人女が奸智を使い、メチャクチャしてるとしか思えない。

これ、白人女性へのネガティブキャンペーン映画なんじゃないかな。

やはりコメディという区分から何からすべてが間違っていた。

レンタル屋のラベルも144分と間違っているし(実際には112分過ぎ)。よりにもよってこんな映画を長く間違えるとは。

32年が経った

昨日8月12日は日本航空123便の事故があった日だ。

まさにその昨日、ANAの羽田発大阪行の便で事故があったようだ。

ダクトが破損し、機内の気圧が低下したようだ。

酸素マスクが降りてくるほどのものだったらしい。

恐らく多くの人の頭に御巣鷹山の事故が去来しただろう。

さいわいにも、今回は羽田に帰還できた。

 

静かにさまざまなことに思いを致す。

ずっとお部屋でひきこもり

車の走行距離が10万kmをこえた。

感慨深いものがある。

 

前回書いた、ずっとお城で暮らしてるが合わなかった理由がわかった気がする。

あの物語には、何故?に対する答がほとんど全くないのだ。

例を挙げれば、

3名を除いて他の全員が殺された一家がある。

なぜ殺されたのかは、全く語られない。

生き残った家族たちは、村中から悪意をぶつけられている、という(主観に基づく)事実は書いてあっても、なぜそうなったのかは触れられない。

このように何故に対する答、つまり理由が分からないまま、読者は物語に放り込まれ、登場人物たちと一緒に、過ごすことになる。

そこが私には合わなかったのだ。

 

ある意味ブラックとまで行かずとも、こういう職場は多いだろうし。

ろくに説明しないくせに、とにかく対処しろとか。

ずっとお城で暮らしてる

シャーリィ・ジャクスン「ずっとお城で暮らしてる」

期待しすぎたというより、肌合いがあわない。

アメリカの小説とはなぜか折り合いがよくない。

悪意の量が予想よりも少なかった。

といって、ケッチャムの「隣の家の少女」みたいな悪意(というか虐待)もまた、持て余してしまうが。

 

まず、状況説明がなさすぎる。

もちろん注意深く読めば、推測する事はできるが、それでも推測だ。

翻訳の問題とも思えない。

またストーリーも淡々と進むというか、盛り上がりに欠けるというか。

たかだか250頁程度だが、非常に長く感じた。

 

同時に映画化してほしい作品でもある。

香日ゆらの漱石本

香日ゆらの「夏目漱石解体全書」を読んだ。

香日の漱石関連本はどれも素晴らしい。

一つひとつのエピソードが分かりやすいものであったり、それを面白く描いたりという、著者の鑑定眼やテクニックの素晴らしさもさるものだが、何よりも素晴らしいのは漱石(およびその周囲の人々)への愛情だ。

読んでいて本当に好きなことが伝わってくる。

また、漱石に関わることなら建築、本の装丁、教育制度などなど分野に関係なく調べたい、知りたいということが端々に出てきている。

読んでいてその爽やかさに心が洗われる気がする。

デレデデッ、ターンターン♬

アダムズファミリーをみたことがない。

何となくみるチャンスがなかった。

そこで意を決して、レンタルしてきた。

さあ、再生したら何かおかしい。

セットアップ画面にすると、

言語と字幕が

英語とスペイン語「しか」選べない。

あ、あとOFFも選べる。

日本語字幕がない。

とりあえず、今回も縁がなさそうだ。

心にナイフをしのばせて

今更ながら、「心にナイフをしのばせて」を読んだ。

サレジオ高校の同級生殺害事件の被害者遺族のその後をつづった。

あとがきにも書いてあるが、加害者側の話はほとんど書いてない。

神戸幼児殺害事件(サカキバラ事件)発生時に、類似の過去の事件ということで取材および雑誌連載をしたようだ。

色々と考えさせられるものがあった。