「アメリカン・レポーター」という映画を観た。
近年みた中で3本に入るほどひどい。
貞子3Dやキョンシー外伝のような、誰かに話したくなるひどさではない。記憶を消して、時間を返してほしいひどさだ。
そもそもコメディの区分になっていたが、何一つコメディ要素がない。
実話に基づくとあるが、何をみせたいのかが全く分からない。
アフガニスタンの状況を伝えたいのか、現地特派員の、特に女性特派員の様子を伝えたいのか。
望まずに派遣され、過酷な戦地で苦労し、文字通り生死をかけているとしても、現地になじもうともしない白人特派員たちに同情はできない。
まして主人公の女性は、戦場でも、そうでなくても周囲の制止もきかずに飛び出すタイプ。
実際に本人も周囲も危ない目にあっている。
過度にリベラルな女が極端に保守な異文化に投げ込まれ、どうなるかを描いたものとみれなくもないが、主人公たち、つまり白人特派員たちは何も変わらない。
女性ジャーナリストの熾烈な出世競争を描いた面もあるが、そもそも主人公は戦場ジャーナリストですらないから、まぬけな素人がベテランに出し抜かれる話にしかならない。
海兵隊や現地の大臣に直に友人奪還を依頼するとかも、必死さに胸打たれるよりも(それまでの経緯から)白人女が奸智を使い、メチャクチャしてるとしか思えない。
これ、白人女性へのネガティブキャンペーン映画なんじゃないかな。
やはりコメディという区分から何からすべてが間違っていた。
レンタル屋のラベルも144分と間違っているし(実際には112分過ぎ)。よりにもよってこんな映画を長く間違えるとは。