韓国映画「私の頭の中の消しゴム」を観た。
ひところ流行ったアルツハイマーものだ。
韓国映画はつくりが上手い。
物語冒頭と中盤では、登場人物の見え方が明らかに変わっている。
普通の男女が美男美女にみえる。これはもちろんメイクのせいもあるだろうが、物語への感情移入もあるだろう。
一度物語が動き出すと、ジェットコースターのように進んで行く。
スジン(ヒロイン)がアルツハイマーの宣告を受けてからは、常にうっすらと涙ぐみながらみていた。うっすらというか、泣きながらみていた。
この観客から涙を出し尽くしてミイラにしてやろう、というくらいに泣かせにかかるのがいい。
手加減なしだ。
おやすみシェヘラザード3巻で、私の頭のなかの消しゴムとデビッド・リンチのイレイザー・ヘッドを間違える回があったが、、、、うん。全く似ていない。
なるほど「頭」「消しゴム」とキーワードは共通しているが(笑)
チチョン(男主人公)が完全にツンツンしているのが、またいい。
チチョンの母親のエピソードは必要だっかのか疑問だが。
分からないのは、スジンの親父が娘に恋人ができたことを察知してることをスジンににおわせるとこだ。
親父が笑顔で、(娘の新しい恋人は)どこぞの建設現場のおとこだろう?
とスジンにきいているが、後にレストランでチチョンと会うと、
もう明日からは来るな
などという。字幕と原語で微妙に違うかもしれないが、建設現場なら基本的にブルーカラーしかいないだろう。ホワイトカラーとしての男を期待するなら、建築会社などでないとおかしい気がする。
主治医の容赦のない説明が心に残る。
やれ、会社を辞めろ、パソコンも電話も使えなくなる。やれ、肉体的な死よりも先に精神的な死がくるなどと、2004年の韓国ではこれが普通だったのか、驚いてしまう。
また、主治医のアルツハイマーの言い方がかわいかった。
うーん、韓国の恋愛映画もみてみようかな。
いや、イレイザー・ヘッドを見直すのが先か?(笑)