良いものは何度でも良い

大河太平記DVD6枚目、高氏が挙兵し六波羅を落とし、鎌倉北条氏が滅びるところを観た。

何度見ても名作で、何度見ても名場面ばかりだ。

いわゆる滅びの美学とは何かときかれ(るような時があっ)たら、このDVDを見せることにしたいくらいに、美しい。

滅びることによって北条氏の名は不滅となったのだ。

たとい悪役としてもチンピラではない。それは武家政権が生まれ変わるため、日本が中世に歩をすすめるために倒さねばならぬ、堂々とした敵役だ。

北条方の誰をとっても一流の敵役だ。長崎円喜も美しい。

そして、攻める足利、新田もまた美しい。

後世の人間として、倒幕後の理想と違ってしまった政治状況を知っているだけに、劇中の彼らのやむにやまれぬ状況、熱くたぎった理想などがなおさら引き立っている。

ドラマを支える俳優陣の顔ぶれの豪華なこと、演技の上手さ、すべてが奇跡的だ。

この6枚目と最終話だけでもDVDが欲しい。

赤橋守時の享年は39とナレーションがあった。数えであろう。

ということは、自分よりも年下だ。

いや、それどころか、六波羅探題北方の北条仲時にいたっては享年28だとか。

ちなみに北条高時は享年29。