といっても日本語訳を読んだので、書序は読んでいない。
面白いことは面白いが、誰かが誰かを諭している、或いは誰かに宛てた命令書の体をとっているので、疎外感を多少感じた。
いわゆる歴史書ではないので仕方ない。
今度は(中国古典の)国語を読もうと思う。
日本の出版文化は世界に誇れる。特に諸外国の作品の翻訳、また諸外国のことを書いた本などがこんなに出版されている国はないだろう。
しかし一面、出版はやはり流行を反映している。
つまり明治以降、特に戦後の漢籍離れを痛感している。
論語や孟子、易経などごくごく一部のもの以外は、漢詩の選集くらいだ。
1つでも日本語訳が出ていればまだいいほうだ。たとえ抄訳でも。
ハードカバーや漢文大系などの叢書を含めればまあそれなりに出版されているが。それらも平成になってからはほとんどでていない(一部例外あり)。
何が言いたいかというと、四書五経ですら全訳の文庫がでていないものも少なくない。
五経だけでも
書経(全訳註はでている)、左伝以外の春秋(穀梁伝の全訳はでているが入手はほぼ無理、公羊伝は抄訳がある)、礼記(全訳註も抄訳註もあるが、文庫化はされていない)、詩経(抜粋訳は多く出ている)
結局文庫で全訳が読めるのは、易経と春秋左伝のみだ。
四書は岩波文庫と講談社学術文庫が頑張っていて全て全訳が読める。
その他は、荀子、荘子、列子、孫子、戦国策、呂氏春秋くらいが文庫で読めるか。
仏教書は除くが、しかし、中国古典の文庫化がすすめばいいな。
いや、まずは日本の古典からかな。