「完全なるチェックメイト」をみた。
チェスの世界チャンピオン、ボビー・フィッシャーの話。
かなりアレな感じで描いているが、どうやら本当にアレな人だったようだ。
精神に異常をきたしてしまったらしい。
レンタル屋のパッケージに「神の一手」云々とあったが、コピーライターがヒカルの碁でもパクったのかしらむ。
中々に面白い映画であった。
チェスの中身がほぼ描かれていないのは、恐らくチェスが分からない人向けなのだと思うが、もう少し局面の解説をいれても良かったのでは。
原題が「PAWN SACRIFICE」なのだから。
ヒカルの碁ついでに書くと、こういう盤面ゲームは相手が要るものだ。
その意味でこの映画は、ボビーのみならず、ボリス・スパスキーの映画でもある。
正直に言うと、チェスの内容よりは少しましだが、人物描写もかなり浅い。
もう少しスパスキーが不戦勝を良しとせず、ボビーとの三局目に応じたのかとか、スパスキーが椅子を調べたのは、スパスキーもボビー同様に精神を病んだのか、それとも神経過敏だったのか、などもっと説明や描写がほしいところではある。
スパスキーに勝って、世界チャンピオンになった後のことはナレーションと実際の映像で駆け足で描いてあった。
ネットで調べると、ニュアンスがだいぶ違う気がするが(アイスランドには政治亡命したと映画では表されたり、逆に、渡井美代子と事実婚して日本に住んでいたことは触れられず)まあ、スゴイ人だったみたいだ。
佳作だった。