マッドマックス怒りのデスロードを観た。
ツラい。
つまらなくはない、ないのだが面白くない。
世界観しかストーリー要素がないため、そこに入り込めなかったらバスや電車を見逃したかのように、ただただボーッとしているほかない。
ストーリーはある、という反論もあるかもしれない。
それは初期のファミコンのゲームストーリーをある、というのと同じだ。
必要最低限しかない。
あらすじは簡単だ。
北斗の拳的な荒廃した世界で、イモータン・ジョーひきいる軍団の大隊長フュリオサはジョーの妻(というより子を産ますためだけの女)たちを連れて逃亡する。当然追討される。その追討軍に、ジョーの軍団に捕まっていたマックスが輸血袋としてつれてこられ、マックスはフュリオサたちと逃げることになる。
目的地であるフュリオサの故郷たる緑の大地は既に汚染されており見る影もなくなっていた。逆転の発想で、手薄になっているジョーの砦を襲うことにした。
砦へ向かう途中でジョーを殺すことに成功し、フュリオサは新たな砦の長(人民の長)になり、マックスは去っていく。
概略こんな感じだ。
あとは基本的に全編通して、世紀末的世界、カー・チェイス、カー・アクション、バイオレンス、スチーム・パンクをごった煮にしている。
この世界観に乗るしか、ストーリーがないのと、バイオレンス中心のため、セリフも少なめだった。
恐らくこの映画が好きな人は、映画に理屈こねるようなインテリ気取りが嫌いなんだろう。
ぼくは映画で理屈をこねたいインテリ気取りだということを痛感した。
せめて123分ではなく、90分くらいならまた評価も変わっただろうに。
作中、
我は正義の番人
死の歌の指揮者だ!
と敵(武器将軍)が叫んでいる場面でヴェルディの「レクイエム」怒りの日がかかっていたのには少し笑った。
またウォーボーイズが白塗りで目の周りが黒いのは、香港版のキョンシーを思い出した。
この映画のテーマは英雄誕生などの神話であり、神話学者ジョセフ・キャンベルの「千の顔を持つ英雄」が底にあるらしい。
少し気になる。