カストラート

日がな一日サンパギータをやっていた。

それ以外は映画「カストラート」を観た。

ずっと見たかったが、使っていたレンタル店のDVDは傷がついているのか再生できなかった。系列他店では置いていなかったり。

結果として観たいと思いつつ何年も観ることができなかった。

今回あらたにレンタルカードを作ったのでようやく観ることができた。

 

カストラートそのものについては、些少ながらも知識はあった。

主人公のファリネッリは実在の人物のようだ。

味わいをすべてそぎ落とした内容は、自分の夢を叶えるために弟を去勢した兄と、兄に去勢されたことを知りつつも認めずにきた弟の兄弟ゲンカだ。

ストーリー自体は陳腐だ。或いは実話なのかもしれないが。

主人公はファリネッリだろうが、抱き合わせで兄も主人公であろう。

あらさがしをすればいくらでもできる。何よりカストラートの歌声は合成で作ったということだが、これを技術ってすごいとみるか、にせものとみるか。

しかし、個人的によい映画であった。たとえ合成であろうが、あのオペラを劇場でみたいと思った。なにより、兄の作っていたオペラをヘンデルが期せずして作曲(編曲か)をする場面などは心震えるものがあった。

あの時の兄の心中を察すると驚き、思いがけない幸運と同時に思いがけない不幸などなど様々な思いがないまぜになったものであろう。

とりあえず、バロック音楽を聴いてすごそうか。