輪廻

映画「輪廻」を観る。

以前観て、面白かった。が、再度観ると色々と忘れていたり、納得したりすることが多かった。

まず、優香演じるところの杉浦渚は、殺された女の子(教授の娘)の生まれ変わりとばかり思っていた。作中もわざとそういうふうに印象操作している。

ラストシーンの精神病院の優香のシーンは覚えていたので、なんで娘の生まれ変わりで気が触れるのかな?と思っていたら、なるほどそういうことか。

優香とばあさん(教授の妻)の演技に脱帽。本当に素晴らしい。

以上が良かった点。

そうでなかった点は、ストーリー。かつてホテルでおきた惨劇を映画化しようとした、という筋だけに見えるが、実は筋はもう一つある。つまり冒頭のいきなり前世の自分に連れて行かれる人たちと香里奈たち大学生の話である。

これがよろしくない。時間軸の問題は呪怨などと同様に、怪奇なときは時間軸がゆがんだり重なったりするということでいいだろう。しかし、優香の椎名桔平扮する脚本家をみてからの映像や逃走について、すべて優香の頭の話ということで処理するとしても、脚本家の死(または失踪)はどうなったのだろうか。このさい香里奈はいい。べつの時間軸が重なっている解釈をするから。しかし、映画化の方の筋は、試写の段階で脚本家や出演者の多くが死亡または失踪しているはずなのだ。

また、前世の続きをするのなら、わざわざホテルでなくても、そういう運命の人たちが集まって教授(の生まれ変わり)に復讐すればよい。それがホテルで集まって、しかもまた教授に殺される。まあその後復讐に成功したようにも見えるが。

最終的に復讐に成功したのはばあさん(教授の妻)のようにも見えるし。

そして優香以外の人たちは前世同様に死んだのかどうかもわからない。もし死んだとしたら、前世と今生2つの霊になるのかどうか。前世が今生を引っ張っていったりしていたから、2つになる気もする。すると、来世でもまた集合して死ぬのか。

ホラーだからということを差っ引いても、腑におちない部分が多いストーリーだ。

とはいえ、面白い事は間違いない。

ばあさんの笑みとラストの優香の笑みは一見の価値ありだ。無論、それだけみても仕方ないが。

あ、図書館で電話をするのは論外だ。そりゃ前世に連れて行かれるよ♪