風濤

井上靖「風濤」。高麗が元朝の命令や指示に翻弄される小説。

責任をとれる立場にないのに流れで担当にされている者、

あるいはめちゃくちゃな命令をうけて、なんとか整合性をつけて更に他の者に指示しなければいけない中間管理職の姿がここにある。

苦労して、様々なやりくりをして何とか仕事をしても、成功の果実は他者(元朝)が持っていく。

失敗すれば責任者でもないのに、責任を追及される。

元宗や忠烈王の苦悩はいかばかりであったろうか。