食パンの道は修羅の道

今、食パンが熱い。

高級食パンというものを様々な店で出すようになった。

以下店名や商品名はすべて仮名(かめい)で書く。別にけなすことはないが。

 

この県では以前から、地元では有名なデニッシュ食パンがある。

店の名前はたいら、パンは北欧パン。

店は完全な地元の住宅街にある。

残念ながら日曜日が休みなのと、近所の方を対象にしているので、非常に買いに行きづらかった。

デニッシュ食パンは非常においしかった。

やはり、デニッシュなので、食パンではないな、とも思った。

 

その時から数年がたち、去年、高級食パン専門店がオープンした。

といっても全国チェーンだ。

こちらはデニッシュではない本当の食パン。

おいしい。小麦の味がする。

何もつけなくても甘みがする。

ダラダラとえんえんと食べてしまう。気づけば2斤なんてペロリだ。

 

その数か月後、新しい高級食パン専門店オテンキがオープンした。

こちらも美味い。

甘みが若干強めだ。

パンに何を求めるか、どう食べるかで好みが分かれるが、個人的には上述の店の方が好きだ。しかし、おやつとして食べるならオテンキだろう。

食パンがおやつというのも何だけど。

 

また某コンビニチェーンの食パン「ゴールドの食パン」も食べた。

普通のコンビニやスーパーで売っている食パンと比べると信じられないくらい美味しい。

食パンの売り言葉によく使われる、もちもち、口当たりがやさしい、ふんわりとした、などの食感をできる限り共存させている。まずもちもちとふんわりは矛盾していて共存できないのに。まるで陸上のデカスロンのように矛盾を止揚している。

少しカッコつけて説明したくなるくらい美味い。

しかし、というか、味に関しては他の高級食パンと比べるとそれはまた少し劣る気もする。日常食べるとしたら充分すぎるほどに美味しいのに。

 

数週間前に、大型商業施設アイアムに行った。

時間は13時ころ。パン屋では「高級食パン」のポスターがあったが、同時に「本日は売り切れました」の札もあった。

以来ずっと気になっていた。

今日は気合を入れて11時にアイアムに向かった。

さいわい高級食パンはあった。しかし、残り3つ。すべて2斤だ。そのうちの一つ(と好きな菓子パンなど)を手に取り、レジへ。

レジで店員さんがバーコードを読んでいるとき、レジ横というには少し遠い棚に1斤の食パンらしきものがみえる。商品名であろうゴールドと書かれた袋にはいったものと、袋に入ってないものがあった。

店員さんに、

あのゴールドというのは、今私が買おうとしている高級食パンと同じものか

尋ねた。すると違うという。

ゴールドはデニッシュ食パン、袋に入っていないものはメープル味のデニッシュ食パンでゴールドより甘いという。

食パンが2斤、ゴールドが1斤、メープル食パンが1斤。合計4斤。

多すぎる。

しかし、次にいつ買えるかというとわからない。

仕方ない、菓子パンもふくめ全部買った。パン屋でまさかの2500円使った。

高級食パンは特に目立った甘みがない。少し甘いかなくらいだ。

特筆すべきは噛み応えだろう。外の皮部分はともかく、中の白パン部分が歯ごたえのあるやわらかさで、食べ応えがある。

味もあいまって飽きない。

ゴールドはなるほどデニッシュ食パンだ。美味しい。

メープル食パンは店員さんが言ったとおり、甘い。そして木の実の匂いがする。

あの土というか自然を感じるクルミのような匂いだ。噛み応えはゴールドの方がある。

難しい。甘みが強いと食パンからは遠いように個人的に思う。

しかし、ゴールドよりもメープル食パンの方が好みだ。

どう考えても菓子パンに近いのに。

 

調べたら、8月後半にさらに高級食パンの専門店、ひがしやまがオープンしていたようだ。

これも近いうちに食べなくては。