牯嶺街少年殺人事件を観た。
91年に公開され世界中で高評価を得たが、日本では興行的に失敗して、見ることが難しくなっていたようだ。
今回はデジタルリマスター版をみた。
台湾映画で戦後の国民党統治時代を描いた作品は、悲情城市が有名だ。
パッケージのあらすじを斜め読みして、政治的に不穏な時代を生きる不安定な少年たちのウエストサイドストーリー的な話かと思いレンタルした。
みはじめて30分くらいして、残り時間を確認したら、3時間強あった!!
慌ててパッケージをみたら236分。約4時間だ。
悲情城市と同じく淡々と事態が進んで行く。
ぐいぐいと引き込まれる。まるで良い能のように退屈で面白い。
気付けば4時間もあっという間に過ぎていた。
やはり少年よりも少女の方がはやく大人になるようだ。
少年の真心は過酷な現実には勝てない。
無意識であろうとも少女に変化を強いる少年と、それに反発し頑なになる少女。
最後の事件後のエピソードも含め、全く救いがない。
素晴らしい映画だった。