ドッグヴィル

映画「ドッグヴィル」を観た。

鬱映画とか人間のイヤなところをみせる映画とかいう評判だったので、是非みたいと思っていた。

監督はラース・フォン・トリアーダンサー・イン・ザ・ダークの監督だ。

評判に違わず、陰惨な話だった。

とはいえ、途中から結末は2つくらいに予想できていた。

どの登場人物も胸くそわるかったが、特に嫌悪感がわいたのが、ヴェラ(子だくさんの母親)、ヴェラの息子ジェイソン、そしてトム(町の哲学者きどりの物書、事実上は遊民)。

ずっとイヤな感じが続く素晴らしい作品だった。

ダンサー・イン・ザ・ダークはまだ、途中までは暗くもなかった(あくまで後半に比べて、ほかの映画と比べたら充分暗い)。しかしこの映画は始終イヤな感じが続く。

ただ一つ、時間が長すぎる。

2時間越えている。

章立てされていることも、長さを感じさせる。

章立ては映画の最初に全10章(プロローグと9章)であることが示される。ただし各章が何分ずつかは分からない。

そのためあと何章残っているのかだけを知るため、中盤はなおさら長く感じた。

ニコール・キッドマンの美貌はすごい。

当事者でいながら、どこか他人事のようにふるまう役がドンピシャだ。

アイズ・ワイド・シャットでもそうだった。

もっともあれは当事者ではあるが、ニコール自身は預かり知らぬところで物語が動いていた。

ドッグヴィルに戻ると、最後の場面はまさにカタストロフだ。

観ている間に生じたイヤな感情の落ち着き先がきちんと決まったようでスッとした。