「大統領の料理人」を観た。
ストーリー展開に不満がないわけじゃないが、スッと映画に入っていけた。
組織の中での個人の在り方を考えてしまう。
特に自分の仕事にプライドをもっている人が陥る悩みだろう。
作中の主人公オルタンスは、結局大統領の料理人を辞めてしまう。
他の作品と勘違いしていて、わがままな大統領を、料理人が料理と母性あと説教で人格者にしていく、みたいな話だと思っていた。
この間みたスポットライトも、組織について考えさせられる映画だった。
もちろん、自分の悪事を隠蔽するカトリック組織についてもだが、主人公たちのボストン・グローブ紙、スポットライト班の方も、だ。
グローブ紙も新聞社であり企業である。当然、組織である。
以前に淫行神父20人のリストを提供してもらったときは調査をしなかった。端的に言うと動かなかった。
それを批判される場面も、自分たちで自己批判する場面も描かれている。
大統領の料理人とは組織について描いているという意味では同じでも、内容は異なる。
スポットライトは組織そのものの行動、法人格について描いており、大統領の料理人は組織内の個人について描いている。
同僚の言葉だが「協力してくれとは言わないが、邪魔だけはやめてほしい」。
至言というものだろう。