無類に面白かった。気になりながらもずっと読んだことがなかったが、もっと早く読めばよかった。
原題は「Sons of the Yellow Emperor」。このYellow Emperorを黄色の皇帝(黄色人種の皇帝)と誤解されることも多かったという。もちろん、黄帝のこと。
指摘されれば当然に思えるが、海外中国人をみて
中国人は商売の才能があるとか、金もうけにしか興味がない
というのは誤りだ。そもそも儒教的概念では商人の身分は下の下だ。そして、海外に出た中国人は商売をするなりして、金をもっておかねば人の土地で生きていけないであろう。
もちろん大陸に残っている中国人も現実に金を儲けることに血道をあげているのは間違いないが、海外中国人だけをみて、「中国人」を云々するのは危険であろう。
この手の本は、サンプルを丹念に集めて、列挙する方式になるのは仕方ない。
もっと扱ってほしい地域や人もいるが、それを求めるなら自分で書け、ということになるだろう。
華人ではなく、華裔という表現に少し興味を覚えた。