バリ島物語を読み終える。
最後の終末(ププタン)の描写は胸に迫るものがあった。
バドゥン王国の終焉の哀しさがたまらなかった。
しかし反対に読後感は狐につままれたように虚無に包まれた。
理由は、戦後のパックの家庭描写があることだ。
もちろん現実世界は誰かが亡くなっても、または国など政権がなくなっても、そこにいる人間の営みは続くわけである。
そこに2つの意味で虚無感に囚われる。
この2つを明文化することは難しいが。
あとがきや解説を読んだら、また少し感想が変わった。
個人的には変わってほしくない方に。
いずれにせよ、このタイミングで読むことができて良かったことは間違いない。