耶律楚材

図書館で岩村忍の耶律楚材があることがわかったので、早速借りてきた。

シンプルというか質素な製本。題字は達筆だが「耶律楚材」と大書してあるだけで、著者名もなにもない。もっともジャケットがないのでもしかしたらジャケットにはあったかも、と思ったが恐らくないだろう。

中の字組などをみて、どこかで見たことあるなあと思って、思い当たった。

生活社だ。松枝茂夫の模糊集(郝懿行の文集)と造本がそっくりなのだ。

うれしくて、思わず松枝茂夫訳の周作人随筆も借りてしまった。

しかし、なぜ岩村忍の作品のなかで、耶律楚材は戦後、再出版されなかったのだろうか。