夢の家

ドリームハウスを観た。

ホラーということになっているのだが、、、

途中、近所の悪ガキどものサバトあたりまではホラーっぽかった。

しかし、精神病患者の施設でウィル自身がピーター・ウォードだということに気付いてからは、ハイド・アンド・シーク世にも奇妙な物語スウィート・メモリーのような感じがした。

違いは結局主人公(ウィルというかピーターというか)が実は殺人犯ではなかったこと。そして、恐らくアン(とその娘クロエ)は真相を知っていたということ。

そこまで来ると視聴感は変転していく。

最初は、映像のまま、幸せな新居で暮らし始めた家族。しかしその生活には何か軋みが存在している。

次は、ウィルがピーターであることが分かり、新居改め廃墟でピーターが幸せな生活を妄想する。しかし、妄想中に、その妄想の中のリビーに、リビーと娘たちの本名や、子供たちがすでに死んでいること、最後のときの状況、犯人は誰かなどを聞いてしまい、最初とは別の意味で軋みが生じている。

ここで、それまでの様々な伏線に気付かされる。例えば、壁に書いてある前住人が書いたであろう子どもたちの背の高さをリビーが消さないで残そうとウィルに提案し、ウィルも承諾したこと(その時、壁にかかれている名前はキャサリンとベアトリス、もちろんデイデイとトリッシュの本名)。それはつまりウィルとリビー(と娘たち)の思い出だから消さずに残そうとしたのであろう。更にはそのときリビーが、今ごろこの子たちどうしているのかしら?と問いかけ、ウィルが、今ごろ親を困らせているさ子どもってのはそういうもんさ、と笑って答える場面も意味合いが変わってくる。

また、冒頭の出版社退社の場面もすべて施設関係者だ。

三度目は犯人がピーターではなく、アンの元旦那ジャックであるとわかったとき、映像ではジャックがピーターとアンを殺そうとするときだ。

そうなると急に、妄想のはずのリビーたちが愛しく哀しく見えてきた。特に燃えさかる家にリビーたちを助けに戻るピーター、そのピーターに逃げるようにすすめるリビーと娘たち。胸にグッとくるものがある。

全てが終わってからベストセラー作家になったピーターは、少しやり過ぎの気もする。また自身のポスターをみているピーターはあまり嬉しそうではない。

あるいはこれも、出版社を退職し作家になる、という妄想の続きなのかも、とも思った。

スタッフロールの最後にかかる歌がポップ過ぎる気もするし、それでいい気もした。

いわゆる怪談的なホラーではなかったが、悪くはなかった。

ウィル改めピーターが施設(内の時分の部屋)に戻ったとき、みんなに歓迎されるなか、中国人(中国系)の入院患者が、你回来了🎶、と言っているところが妙に心に残った。

昨日の漫画、サユリといい、呪怨といい、何か取り憑いている家に入ってきた家族が酷い目にあう設定が好きなのか、自己分析中(笑)