インターステラ―

映画「インターステラ―」を観た。

これも弟子に勧められたもの。彼はSFの中でもアメコミ系と宇宙ものが大好き。

翻って私自身はSFのみかたも読みかたもわからない。

とはいえ、観てみたら、、、最初の1時間がつまらない。拷問のようにつまらない。

耐えきれなくて、一時停止をしてふて寝した。

ひと眠りして悪夢で起きて(あんな夢で驚きと恐怖で起きて、動悸がしてたのは初めてだ。そのわりにはもっと恐い夢あるけどな?)、続きを観だした。

ストーリーはちょうど宇宙へ出発した。

先ほどまでのつまらないのは何だったのか。非常に科学考証をしたと思われるしっかりとしたSFだった。

とても面白い。

特にオチに5次元宇宙とテセラック(劇中にその用語は使われてない)が使われていた。

つまらなかった最初の1時間にも伏線があった(それでもどう考えてもいらない部分が45分くらいあるが)。

ついこの間「超ひも理論をパパに習ってみた」を読んだばかりだし、「度胸星」を読み直したくなった。

で、SFとして面白かったのは以上。

気になる点もある。科学考証や設定についてではない。それらについてはゴジラをみてあんな恐竜いるわけないなどと言うのと変わらない。

解釈についてだ。

主人公(クープ)の子どもたち(兄、妹の二人兄妹)についてだ。

兄の扱いが酷くないか?劇中の時代、世界的には普通に地道に頑張っていたのに、結局報われているのは妹の方だ。妹の方が(兄より幼いとはいえ)ワガママでヒステリックなのに。兄は長女を亡くし、長男は重い病気持ち。病気は劇中的に呼吸器系であろう。

対して妹の方は、物理学者になりNASAに勤め、結果子孫は繁栄している。

また、この妹と主人公の父娘再会の場面。

妹(以下、娘)は老衰で死にかけている。父である主人公は年齢は百二十過ぎだがまだ壮年。

娘は父に、親が子どもをみとるのは良くない。私にはみとってくれる(娘の)子どもたちがいるから。父には(勝手に元恋人のいる星へ行ってしまった)ヒロインであるアメリアを捜索に行くように告げる。

一見名場面なのかもしれないが、最後の最後にもやもやが残った。

これ、娘の父に対するいやがらせではないだろうか。父に自分の子孫繁栄を見せつけつつ、かつ父はその中に入れさせず、成功するかどうかも又同じ仕事をしただけで伴侶になるかどうかもわからぬワガママな女を助けに行けと言う。

どうやっても父が宇宙に行くときに、時計を投げ捨てた姿。ブランド博士(アメリアの父)が亡くなったことを知らせると同時に宇宙にでた連中を非難した姿。それらが頭をよぎる。

ワガママな女にはコロニー生活をするようになっても対処できないということか。なるほど劇中で、人類はそこまで進歩してないということを言っていたが、なるほどその通りだ。

思い出した。殺伐としてくる劇中で気持ちを和ませてくれたのは、タースとケースだろう。特にタースだ。

タースはユーモアレベルを設定できる。実に素晴らしいロボットだ。しかし、なぜだろう。こんなによくできたロボットをみてマーヴィンや21エモンゴンスケのようなひねくれまくったロボットを思い出してしまうのは。

バカな子ほどかわいいということか。

しかしネタバレというか基礎知識としてこれが必要だ、みたいなサイトがあることが証明しているように、科学考証がしっかりしている分だけ、あのオチはむしろ非科学的だと思う人も多いのではないかと思う。

アメリカで戦前の宇宙人解剖のフィルムで詐欺をはたらくときに、素人相手なら白黒、プロ相手ならカラーでないとダメだ、という話を思い出した。

最終的にはとても面白い映画であった。

度胸星をレンタルコミックしてこようかな。