娯楽映画かくあるべし

韓国映画「黒く濁る村」を観た。面白かった。むちゃくちゃ面白かった。

ジャンルはサスペンスとかミステリーとかになるのか。

お化けなどのホラー要素はない。

ストーリー中のいいかげんな所はかなりある。

観終わってからゆっくり考えると、いいかげんなのではなく、韓国の田舎(ああいうことができるくらいの)ならあれが普通なのかな、と思えるものもある。もちろん、ゆっくり考えても杜撰だなというものもある。

しかし、観ている最中は全く気にならなかった。少しは、ん?となっても、まあそんなものか、とスルーできる。

また、最後のヨンジの笑みのように、解釈によって意味合いが変わるようなものもあった。

160分と長い映画だが全く気にならなかった。本当に面白かった。

ストーリー上で爽やかな部分がほとんどなく、正に黒く濁っていた点も評価できる。

これこそ娯楽としての映画であろう。少なくとも観ている間は夢中になれた。人生訓が欲しけりゃ本を読めばいいのだ。

ヨンジの娘時代(若い時)よりも現代の中年というには少し若い時の方が、むしろ美人になっていた点。ドクチョンが白痴(村長いうところの白紙)ゆえの不思議な聖性を感じさせる点。そしてヘグクとパク・ミヌクの不思議な友情。

この3点は、明るくはないが、一服の清涼剤になっていた。

いやあ、面白かった。

ジャンルは違うが、細かい粗探しよりも夢中で観てしまう点、観終わって我に返ったときの粗の大きさに気付く点、アルマゲドン並だと思う。最後に泣けないけど(笑)