おおかみこどもの雨と雪

おおかみこどもの雨と雪」を観た。

ストーリーは、大学生の女が狼男と子供をもうける。狼男は子供が小さいときに死んでしまう。子供たちも人狼
その後、女は田舎(故郷ではない)に引っ越し子育てをする。子供が二人とも小学校に入り、上の子(長女)は人間として生きることを選び中学生に、下の子(長男)は狼として生きることを選び山で暮らすことを選択する。

 

アニメ作品として、「あの花」とは違う。「あの花」はノスタルジックなところをピンポイントで刺激する。この作品はそういうことはない。
この作品はメッセージを受け取らない楽しみ方もある。その場合、そこまで面白い作品ではなかった。
残念なことに、長女と長男の声があまり子供らしくなく、特に長女の声はかわいくない。
声優は役者や芸能人として有名な人を起用している。

 

娯楽として楽しんでいるはずだが、人は自分の悩みを本や映画に投影してしまう。

この作品は結局、自分が何者なのか、アイデンティティの確立を描いているように感じる。

長女は人間、長男は狼を選んだ。その理由ははっきりと描かれてない。推測するにこういう理由かな?というのはあるが、いまいち確信がもてない。
観ている最中、自分はどこの人なのか自問自答していた。答は、当然、でない。
長女のようにも長男のようにもなれない。まさにケモノでもない鳥でもないコウモリみたいなものだ。

また、女性の自立や子離れ、幸せとは、などもテーマにできる気がするが、ここでは触れない。

 

作品のディティールは割とご都合主義的であったり、説明されていなかったりする。
ストーリー的に重要ではないのだろうが、気にならないわけでもない。特に主人公の両親が全く出てこないことは非常に気になる。
ここにトイストーリーの父親不在に関することと同じように考察することも可能であろう。

 

主題歌のおかあさんの歌が素晴らしい。この作品のための、まさに主題歌だ。

これが最後に流れるところが、もう一杯胸をうつ。

 

なるほど、自分好みであった。勧めてくれた人に感想は、少な目に、伝えよう。