さよなら、アドルフ

映画「さよなら、アドルフ」を観た。
敗戦直後のドイツで、両親が刑務所に送られ残された子供達でハンブルグの祖母の家を目指す話。
ストーリー自体は後半までは非常に退屈で面白かった。ギュンターが死ぬところと、祖母の家での振る舞いくらいが動きのあるところ。
トーマスが捕まるところでさえも淡々と描写されていた。
BGMや撮り方のせいか、トーマスが同行するくらいまでは、悪いことが起こる・今より状況が悪化するような予感がずっとする。下手なホラー映画よりずっと恐い。
ストーリー的にも敗戦直後の同国人どうしの手の平の返しかた、信用できなさも恐い。
原爆と希望を抜きのはだしのゲンロードムービーに仕立てた感じ。
最後に祖母の家にやっとたどり着き、安心して暮らせるようになるはずなのに、主人公ローレはむしろ不安に感じ、あんな行動をとるとは…。しかし、それもわかる気がする。
原題がLore(主人公の名、ローレ)で邦題が、毎度のことだが原題と、違いすぎる。たしかにアドルフ(ヒトラー)がテーマといえばそうだけど。
退屈で恐くて面白かった。

祖父はアーモン・ゲート: ナチ強制収容所所長の孫」が読みたくなった。