眠れない

眠れないままに夜があける

どうせ眠れないなら

嵐が逆巻く海のような胸中を少し整理しよう

 

思いは千々に乱れ、また形を成す

捨てた思いをまた拾い

拾ってはまた捨てる

まさに剪不断、理還乱

 

思考は混沌としているようで

形(かた)はある

形からはずれることはない

堂々巡り

 

自分にはどうにもできないことばかりで

思うだけ考えるだけ無駄なことはわかっている

しかし思い続け考え続ける

習い性になってしまっている

 

考えることに疲れ、まどろもうとも

浅い眠りに夢をみる

夢の中でも悩みは尽きぬ

起きたとしても同じこと

胡蝶にもなれず邯鄲に一生をおくるでもない

 

窮すれど濫れないようにしてもダメならば

齎咨涕洟したら萃まってくれるのか

それともやはり困るままなのか

いっそ東(あづま)へ落ちようか

東海を踏んでしまおうか