殷王朝

「殷――中国史最古の王朝」落合淳思、中公新書を読んだ。
文献史料の記述から脱却し、甲骨文字など考古史料から殷王朝の実態を再現しようとしたもの。
非常に面白い。
書経史記など文献史料は殷が滅びてから、早くても600年以上経ってから書かれたものである。
そこに書かれた逸話や伝説は長い間、いや現代でも信じられてきた。
しかし、甲骨文字からは文献史料に書かれた殷とはまったく違う王朝の実像がわかってきた。
今後、このように考古学的に古代王朝の解明がすすんでほしい。そして夏王朝についてもこのような研究がすすんでほしい。ただ、夏は文字がないために難しいだろうが。
この本を読んで、今までなじんでいた文献史料の記述が覆っていくことに、面白さを感じ且つ目から鱗がとれていった。しかし、何故だろう。一抹の寂しさを感じた。
本文中でも触れていたが、中国の学者は文献史料を疑わずに、なかなか考古学的な研究を信じない者が少なくないらしい。
変なところで血は争えないなと感じた♪

 

明日から仕事で2泊3日しなければいけない。

出発もしてないのに、もう帰りたい。