易経姤卦

引き籠って易経を読んでいたら、姤卦上九が心に沁みた。

 

  上九。姤其角。吝。无咎。
  象曰。姤其角。上窮吝也。

 角は動物の体の最上の位置にあって剛なるもの。上九も卦の最上位で剛爻、角に似ている。上はそれに無位の場所、自分から孤立している。姤とは、陰と陽の姤うという時であるが、初六の陰が姤おうにも、余りに遠く、頑くなで、取りつくしまもない。角に姤うような感じである。ただ、陰に遇わないということは、小人と接触しないことである。偏狭で羞ずかしい(=吝)けれど、悪に染まる惧れもないので、咎はない。 
「易」本田済、朝日文庫より引用

 

なるほど、今の自分に当てはまる。心に沁みるわけだ。もちろん感動ではない。傷口に塩が沁みるような沁みるだ。
通釈を逆にとれば、人と接触しない状況は咎なしといえども偏狭ではずかしいということだ。
咎がなければいいじゃん!という自分と、吝なのはどうにかしないといけないよな。という自分がいる。
そもそも小人と遇(姤)うことはないだろ、と理屈をこねたい。しかし、その人が小人か大人かはすぐにはわからない。だから、まずは接触しないと小人どころか大人とも遇えないということか。