職場に今年度をもって辞める教員がいる。
昨日、彼が私の学生に教えている様、また学生にプリントをあげようとしているところをみた。学生は今自分を教えている教員が今月で辞めるとは知らない。
その風景をみて私は涙をこらえていた。
辞める教員がたまたまとはいえ、私の学生に遺言と遺産をのこしているのだ。
もらった学生はそのことに気づかないだろうが、或いはのこした教員本人も気づいていないかもしれないが、胸にくる場面であった。
教え方は丁寧で、或いわからないことをどのように調べたらよいか、その調べ方までも教えてくれていた。プリントは今やっていることを終えてから渡すということで、私が預かった。
この一事をもってもこの教員が、たとえ他に欠点があろうとも、素晴らしい教員であることがわかる。こういう人が辞めていく。辞める理由は前向きな進路変更であるからその意味では悲しくない。しかし、やはり哀しい。